先週は5日間ほど東京に滞在してきた。人と会ったり、人前で話したり、本を売ったりと連日忙しかったが、凶事なく帰ってこられた。実は出発前々日に財布を落として絶望し、翌日にちゃんと交番に届けられていたことに喜び、感情の上がり下がりに振り回されて疲れていたのだが、なんとか完遂できた。ダメージは肉体的に疲れたのと、duolingをやり忘れてエスペラント学習の連日記録が途切れてしまったくらいであった。 知人と会う前に青梅駅以西の柚木町~畑中エリアを歩く。平日昼間とはいえ人間がまったく歩いていない情景は薄気味悪い。天気が良かったのも逆に怖い。世の中も同じように何も起こっていないと錯覚するくらいである。 大通りはダンプカーなどがガンガン走るため歩道でも危険を感じる。よって一本ずれた住宅の並ぶ道を歩くのだが、立ち並ぶトタンの家と豪華な一軒家のコントラストも変わっていないと気付いた。小学校の同級生にボロボロのトタン小屋な自宅に6人家族という人がいたけど、経済的に厳しい生活をしながらもスーパーファミコンが置いてあったことは覚えている。その人は今どうしているだろうか、見当もつかない。反対に、今考えたら金持ちだったんだなと思うキレーな家に住んでた同級生の家はまだあった。 わたしが生まれた家は現在蕎麦屋になっている。その家には10歳まで暮らしていたのだが、引っ越してからすぐにそのお店が入ってきたはずなので、もう20年以上続いているはずだ。そこを訪れて、店主にさりげなく「あの辺でわたしが寝ていたのです」とかリアクションに困るやりとりをしてみたかったが、それはまたの機会にとっておく。 待ち合わせ場所であった青梅駅前は、かつてミスタードーナツが入っていたビルや、シャノアールの入っていたこれまた雑居ビルが軒並み壊されていた。新しいマンションを建てている途中で、どうやらドロップアウトした人や都心から少し距離を置きたい人の拠点としての価値が駅前にのみ発生しているようだ。弱小チェーン「サンテオレ」とか、開いているところを見たことない「ミスターラーメン」も、もはや記憶の中にしか存在しない。中央図書館も移転が決定した。市民会館もよくわからないナントカセンターになっていた。
(24. 5/31) |
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