Oddworld New'n' Tastyの動画を見て

Steamでやります
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 我らがOddworldの新作(『Abe's Oddysee』のリメイクだけど)『New 'n' Tasty』がXBOX Oneでも配信されるようだ。Steamでもリリースとのことなので、こちらを待つことにする。しかし今のPCのスペックで遊べるだろうか?

 トレーラーやプレー動画を見た限りでは完全オリジナルというわけではなく、ステージのギミックや構造も微妙に変わっている。画面の切り替わりを利用したり、位置リセットを駆使した強行突破も可能なシーンがちらほらあったオリジナルだが、今回は3Dで一括読み込み。シーンごとの区切りはほぼないに等しい構造だ。カメラアングルがなんか辛そうなんだけど、あれはしょうがなかったのだろうか・・・。少し前に任天堂が出してた『ドンキーコング』の新作みたいで良いんだけど、これは国産ゲームのやりすぎ?
 オリジナルと『New 'n' Tasty』の比較動画はよく上がっている。ラプチャーファームといった舞台も、よりディティールに凝った描かれ方をしていて、ここ最近の「ハイテク」感が出ています。
「エイブの月」のシーンに代表される、各ムービーももちろん描き直されている。月の模様と自身の手を重ねるシーン(つまり皆にエイブになる資格があるということかな)を15年以上過ぎて、リメイクされたそれを見るのは感慨深い。
電光掲示板には広告のようなものが出ていて、今回新たに提供された主題歌(!)を歌っている人のそれかは断定できないけど、ちょっと興醒め。ゴア表現は2D時代よりソフトになり、玩具が分解するような見た目に。前なんて爆散したら頭半分が見えてただけに、ギャップを感じるが、別にそこまで重要ではなかった。充分グロいしね。10年前の自分はやたらグロ=リアル=真摯なんて言っていたが・・・。
 面白いと感じたのはスリッグの合言葉センサー。スリッグの発する声に合わせて記号が出るのだ。無音声または聴覚障害を持つ人への配慮だろうか。ゲームスピークはただのパズル合わせではないと再確認した。

 現時点では最新作の『Stranger's Wrath』がもう10年くらい前だろうか。旧箱は友人の家にあったため、自分はソフトだけを買い、やらせてもらうという毎日。英語なので正直わからないまま遊んでいたが、『エイブ』とは対をなす「攻撃できる」内容に驚いた。エイブは爆弾などを使いはするが、自身の手では決して敵を殺せない(仲間は撲殺可能だが・・・)仕様があった。だからチャントで操作して、内部から敵を攻撃するという操作にカタルシスとブラックユーモアを感じられた。『ラス』は過剰な描写こそないが、殴る、撃つといった操作が核となる。エイブのように仲間やギミックに頼る機会も少なく、持ち前の脚力で、『マリオ64』のように華麗に飛ぶのだ。しかし、そこはOddworld、傷つけずに賞金首を捕獲するボウガンの弾など、アンチ暴力のアピールもしっかり存在する。それを選ぶのは遊ぶ私たちだ。
 ストレンジャーが拠点とする街も『エイブ』にはなかったもので、XBOXだからこそ出来た要素だった。惑星オッドワールドという箱庭はまだ鮮明に描かれていないだけに、現在のクオリティで再び着手して欲しい。『レッド・デッド・リデンプション』は『ラス』を思い出してしまう内容だったが、あの世界観はOddworldのビジョンとはまた異なるものかな。『スター・ウォーズ』を楽しみにするように、オッドワールドの新たな地平を描いてくれる時を待ち望みます。
『ラス』冒頭のデモに出てくる墓標がグラッコンを模しているとか、そういうのに弱いんです。
(15.1/18)