映画だらだら

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年明けからU-NEXTやアマゾンプライムで映画を観たり、横目に作業する日が増えた。出稼ぎを入れていないからこそ出来ることだが、もう経済的には終わっている。それはそうとして、最近観たものの感想を以下に・・・

中平康『月曜日のユカ』(1964)。名前だけは知っていた映画。スクービードゥーに「木曜日のユカ」という曲があるからだ。この曲の歌詞には十字架が登場するのだが、映画の主人公であるユカはクリスチャンという設定にちなんだものと思われる。加賀まりこが和製ブリジット・バルドーと呼ばれていたって初めて知ったわ。確かに魅力があるけど、『麻雀放浪記』のイメージしかなかったので、いつ横から鹿賀丈史が出てくるか気になった・・・わけはないが、モダンな映像表現と中尾彬(初見じゃわからん)ら男たちのわちゃわちゃ具合がおかしい。ミューズ的な表現はあまり合わないのだが、ユカが自分の中に制約を設けたことがうかがえる終盤は印象深かった。黛敏郎の音楽が素晴らしく、5年前に出た12インチが欲しいのだけど、すでに高騰。

ウェス・アンダーソン『ムーンライズ・キングダム』(2012)。なんとなく観たアンダーソンの映画。昔飛行機内で観た『犬が島』がイマイチだったけど、これはまあ楽しめた。ボーイミーツガールものはミューズ的な表現ともども苦手な私だが、ある環境になじめないイレギュラーな少年が、そこで得た技術を活かしながら規格を破壊するという展開はベタだが良かった。悪者に徹する少年や福祉局の女性もなんだか居心地が悪いけど、最終的にはみんなで協力したからよかったで済ませておけばいいか。少年は放置だったが・・・。雰囲気が『MOTHER3』っぽいのだが、アンダーソンはゲーム通でもあったりするのだろうか。

エレイン・コンスタンティン 『ノーザン・ソウル』(2014)。ノーザン・ソウルが中心になったマンチェスターの不良の物語。舞台となる都市が同じで、時代設定も近いことから『24アワー・パーティー・ピープル』を思い出した。トニー・ウィルソンを演じたスティーブ・クーガンが嫌な教師の役で出演していたのも変な偶然である。こういう不良の青春ものはやっぱり苦手のはずなのだが、音楽にまつわる映画であることを抜きにしても悪い気分はしなかった。出会いのきっかけのラクガキが友情を繋ぐというオチが爽やかだからか。有名DJが一時期の勝新太郎にしか見えません!ケヴィン・ローランドを主人公にした、ノーザン・ソウル・リバイバルを舞台にした青春映画もあったら観てみたい。

スタンリー・キューブリック『現金に体を張れ』(1956)。ピカレスクもの。「いつの時代も芸術家と悪党は同じ穴のムジナ」というセリフがいい。『俺たちに明日はない』のような抒情もなく、カラッとしているところも見やすい。ノアールにありがちな、主人公を正当化する描写が少ないところも気に入った。それにしても陽動役と警官の無駄に長いプロレスシーンは一体?



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(22.1/29)