近況・夏

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久々に昼の世界の出稼ぎを始めたら一瞬で1か月が終わってしまった。メッキが剥がれるまではコソコソと働かせてもらうつもりだが、この夏の自転車操業が少しは緩くできるだけでもよしとする。多くを望んではいけない。

・エスペラント
Duolingoのテストや単語ノートを作るくらいで、実践とまではいかないまでも勉強は続いている。相変わらず現実逃避の側面が強く、何か建設的に役立てられる気がしない。仕事の億劫さや本業(筆)の停滞、私的な事情などを和らげる点では酒を飲んでいるのと大して変わらない気がする。単語カードを作りはしたが、ブライアン・イーノのオブリーク・ストラテジーズみたいになってきた。言うだけ言って着手していないが、勉強の進みを報告するジンは作る予定。

・ビデ再(ビデオゲーム再読本)
まったく書けていない。草稿の段階はもちろん、走り書きさえ用意できていないタイトルもある。ビデオゲームの辛いところはやらねばわからない箇所が多いうえ、やったところで「再読」なので永遠に初回に得たものを取り戻せないことにある。映画や小説以上に「確認してる作業」感が強く、遊び手がその世界に入っていく感覚が遊ぶほどに薄くなる。ルールの解釈と拡張が主題であるボードゲームに引き寄せられる人が増えるのも納得するしかない。30半ばも迫った身としては精神的にリスキーな試みなので、妥協したものにだけはしたくない。

・ゴーストミュージック・ガイド(仮)
Ghost Boxのことを調べていくうちに、あれよあれよと英国メディア史やムード音楽の死霊、ではなく資料を集め出してしまう。ガイドの方向性はノスタルジアを避けられそうにないが、逃避的な意味でなく、現在にないものを炙り出すような力としてのそれを強調したい。記憶のコピーではなく置換、新しいモノとしてのノスタルジー。今更マーク・フィッシャーに影響を受けているのは否定できないが、これは「ビデ再」を作り始めたことが大きいと思う。ま、詳しいことは全部本で書くのでね・・・。

この文を書いている今は33歳最期の二日間にいる。今後も伸びたり縮んだりするが、それぞれはゆっくりとした自殺(野坂昭如風)の一瞬である。エスペラントは「希望する人」を指すが、勉強する動機が反語的なものなのかどうかは本人ですらわからん。それと、もう日本のニュースはあまり見ないことにした。



戻ライザー

(22. 8/3)