タクティクスオウガリボーン プレー日記 

中途半端に動画サイトであらましを確認して終わり、かと思いきや、このゲームについての文章を書いているうちに手が伸びてしまった。そして執筆が遅れる始末。はじめるときに各キャラクターが「タクティクスオウガ」と読み上げる演出の時点で、これはもうSFC版と別物であり、あれが基準になっている輩はそもそもメインの客じゃないのだ、と思った。原典との答え合わせをさせるつもりが、生まれ変わったストーリーやシステムといった再解釈に引き込んでこそ、現代に作り直す価値があるはずである。さて、二度目のリメイクはどうなっているやら。もはやネーミングで遊ぶ意欲もセンスもない30代半ば、騎士団の命名場面で恥ずかしくなり、ギブアップしかけたがウォルスタのために奮起した。


2025年2月中旬。死者の宮殿クリア。禁呪関連解法。Cルートクリア。プレー時間は130時間ほど?寝落ちもしてたので、実際はもっと少ないだろう。これにて終了!!!!!

やめるはずが死者の宮殿をクリアした。1週目は中途半端にやめてしまったせいで、2週目以降はレベルと一部のアイテム性能に制限がかかるキャップ仕様があり、これに苦しめられた。アイテム弱体化はバフカードよりも批判の材料になっている気がする。とにかくチャームとドラグーンがなければ話にならない。膨大な数の装備がドロップされるとはいえ、すべてを回収するのは1度では無理。魔水晶もオーブを1つ作るのに6つ必要な計算なので、一部の装備を作っただけでアイテム蒐集はストップした。MPチャージができるワンド系があるだけでも難易度が激変し、最終的には召喚魔法を連発するゲームになってしまった。

カーテンコールと称される追加シナリオでは100階よりも深いエリアがあるようだが、さすがにそこまでやる気は起きない。ニバスを倒せただけで満足だ。クレシダとの会話などはなかった。Cルートのエンディングでも、オリアスやデボルドのようにニバス討伐で内容が変化することもなかった。デネブを仲間にする条件がだいぶ面倒くさくなっているので、これもやらずじまいになるか。

クレリックとして活躍していたクレシダだが、死者の指輪入手後は父親に倣ってリッチにした。ひたすらヘルハウンドとアヴァランチを撃つ砲台キャラで、セリエとともに速攻要員として活躍した。接近戦キャラはカノープスに必殺技を撃たせておけばいいので、ほぼ遠距離攻撃キャラのチームにした方がかえって面白いか。シャーマン二人とかは強すぎて白ける。

オートスキルに左右されるのが嫌ならアイテムでまかなえ、というのが結論である。これをもって『タクティクスオウガリボーン』は終わり。アイテム蒐集はオリジナルにはない要素で、もとより少なかった銃器などが増えているのは良い。快適になり、やりこみ要素とやらも増え、ストーリーの余白も埋められたタクティクスオウガ。加えられた部分がオリジナルの退廃とは対照的であったところが、よくも悪くも現代の作品であった。ほとんどの追加シナリオは蛇足どころか冷や水ものだが、ニバスのシナリオでCルートのヴァイスが少しだけ拾われたのは、まあこれはこれで。


2025年2月初週。Cルート4章王都ハイム攻略前で死者の宮殿や禁呪関連のイベント。時間がかかるので、死者Qの方は28階で投げた。プレー時間は70時間ほど。

すでに作業モードに入っているため、ダンジョン関連は禁呪を終えたらやめると思われる。Cルート限定の仲間であるクレシダは無事加入した。『運命の輪』で追加されたキャラクターで、Cルートではガルガスタンのニバスの娘という新設定。Nルートでは血縁者ではなく、部下になっている。以前から登場していたニバスの子・オリアスとデボルドもルートによって立場が入れ替わっていて、二人はCルートだとニバスと関係のないゾンビの被害者として登場する。パラレルワールド感の強い追加要素だが、これが一本道の歴史の中に複数の未来が存在したオリジナル版との差別化だと思っている。時代に合わせたリメイクとすべきか。

クレシダを仲間にするにはガルガスタン人のカオスフレームが一定の値でないとダメ。2週目以降は可視化するが、上げるのが少々面倒臭い。ネクロマンサーとして加入するのでそのまま使うのが筋なのだが、汎用ウォーロックをクラスチェンジさせたので、こちらには悩んだ末クレリックになってもらった。ニバスが否定している信仰に走ってもらうのも洒落てるようだが、単に回復役がいないだけである。召喚魔法を持たせて撃たせた方が全然強いが、まあ他でいくらでも代用できるし。禁呪関連が終われば、セリエかシェリーをシャーマンにする・・・ってなると、没個性化が進む。ゴーストとかガンナーを増やしまくった部隊にして遊ぶくらいしか思いつかない。

Cルート、レオナール死後にデニムがアルモリカの指導者になるイベント。オリジナルよりテキストが増えていると思われる。水を差すような文だが、ここのやりとりはよかった。「みなが一様に覚悟しているとは申しませんが、あなたの命に従おうと努力します」的なセリフは、名も姿もないキャラクターたちの人格を想像させてくれる。ブリガンデス城攻撃前の捕虜(もっと早く会いたかったぜ、の人)や、バッドエンド冒頭の側近たちの会議など、モブキャラ関連のやりとりは結構好きなものが多い。レオナールはリメイクでだいぶテキストが増えたが、デニムに先行するという立ち位置は変わらない。ただ良い人というか、愚直に描かれすぎている。ファミ通の攻略本でかつて「真の策士は彼だったのかもしれない」と書かれていたように、もうちょっと内面を隠してくれていたほうが・・・って今さら書いても詮無き事だった。


2025年1月にかけてNルートクリア(カチュア生存も)+サブイベントいくつか消化。プレー時間は50時間ほど。だが体調不良のかたわら遊んでいたので、はっきり言ってまともな記憶がない。朦朧としたまま、ベッドから右手を出してマウスをかちかちしていた記憶だけが・・・。

少しずつ更新するつもりが一気に遊んでしまった。まず1週目Nルートはバッドエンディングにした。画像のシスティーナのセリフはなぜかSFC版のころから印象に残っていて、是非聞いてみたくなったからカチュアには王都ハイム攻略前に退場してもらったのである。これによりカマンダスガンの人こと無神論者のイベントも出せた。今回はカマンダスガンではなくマスケットガンになっており、さらにこのイベント限定のアイテムではなくなったようだ。このイベントを出す人はよほどカチュアに思い入れがない、と判断されても仕方ないかも。その後クリア後の仕様「W.O.R.L.D」でゲーム上の特定の地点までデータを引き継いで戻り、カチュア生存エンドも確認。これは『クロノ・クロス』でいえば「つよくてコンティニューのようなもの。後述のレベルキャップ等の仕様もあって、イベント消化目的の身としてはやや窮屈に感じられた。

『運命の輪』からの仕様だが、今回はNルートを選んでもアロセールが離脱しない。忠誠度が大幅に下がるが、スタメンに入れていればまず離れない。これはビックリだった(その割にオクシーヌはLルートじゃないと仲間になってくれない)。SFC版ではさんざん弓矢を撃たせて飽きていたため、終盤にはガンナーにしてアイテムを投げる人になってもらった。今回はガンナーがそれなりに使えるクラスなのが嬉しい。空中庭園の細い廊下にいるユニットを「狙撃」でクリティカルを出し、そのまま叩き落すのもかっこいい。しかしラストバトルは延々とデバフアイテムや爆弾を投げるだけになっていた。弓矢の弱体化はSFC版から続く世論へのアンサーだったのだろうか。敵がスキルでクリティカルを確定させてくるときはうっとうしいけど、自分で使うとなると終盤はもはや頼りない。なんとなく気付いていたことだが、『リボーン』は召喚魔法と必殺技を連発するゲームであった。弓矢の火力不足は深刻である。

新たに追加・調整されたバフカードとオートスキルには運の要素が関わってくる。検索したら出てくる「運ゲー」呼ばわりはやや言い過ぎとは思うものの、ゲームの進行速度に関わってくるのは確かだ。ターンを巻き戻す「チャリオット」システムは攻撃が外れた時などのフォローに使うのだが、逆にいえばオートスキルの発動やステータス異常の魔法が望みのタイミングで出るまでリセマラ的に繰り返す理由を作っている。チャリオットに慣れてしまうと、なにかしらの失敗→敵のターン→味方のターンでチャリオットという、よくある流れにさえイライラする。現代人の時間の感覚をなめてはいけない。0.2秒でもストレスを感じるならそれはもう「じれったい」のである。ペトロバーストや吹矢が成功するまで移動位置を変えながら発動という作業は、なかなか大変だった。だがこうでもしないとドラゴンなどのモンスターをまともに相手できない。そう考えたらニンジャの毒や麻痺ほぼ確定の攻撃は強い。
敵のオートスキルに関しては、SFC時代の敵モンスターの必殺技を思い出してしまった。相手の時は当たるのにこちらはからきし、というアレである。つまり相手にばっかりオートスキル「瞑想」や「ファランクス」が発動して、こっちは全然というパターンがよくあった。だからMP回復アイテムを装備させて、最初のターンはひたすら準備に徹するというわけである。ラスボス戦は作業感が高く、こちらが麻痺させても相手は普通に詠唱時間の長い範囲攻撃を発動してくるという嫌なサイクルができあがったりする。これのせいで周回プレーする気があまり起きない。前哨戦に使うダメージ横流し技「リスクキャスター」も手間がかかるだけ。発動しないようにチャリオットで直前の味方をいろんな場所に動かしたりするのも、まあまあ虚しい。デバフアイテムを投げまくって弱体化させれば、ゲームスピード的にあまり支障はないが。蘇生禁止のコマンドなど、いかにもボスらしい補正がかかるのは現代的な演出といえる。なんか『TO』っぽくない気もすると思いながら、ボスにデバフをかける。これが『リボーン』の勝利スタイルである。そういうわけで面倒くさくはあるが、死亡が『ファイナルファンタジータクティクス』形式のカウント制になったおかげで難易度自体はそこまで高くない。ただこれは経験者だからこそ言えるのであり、初心者はレベルキャップとデフォルトでバフがかかったボスに駆逐されてばっかりだろう。チャリオットを使って詰将棋的に繰り返せばいいのだろうが、それを面倒くさいと思って挫折した人は、まあ仕方ない。

モンスターが強くなっているのも『運命の輪』以降の特徴だろうか。とにかく硬い。投石や範囲攻撃まで持っている。自分で使ってもその盾ぶりが頼もしい。敵にした時はブレスによる範囲攻撃+ヒットバック(今回はかなり出る。うっかり端っこに配置してると落とされる)が面倒くさくて、コカトリスがランダムで複数匹出る空中庭園後半マップは大変だった。海岸マップに出てくるオクトパスも謎の範囲攻撃を持っており、かなり強い。だが自分では使わない。相手にするとうっとうしい。

今回はいわゆる顔キャラが強く、加入者も多いため、汎用ユニットの数が限られてくる。カチュアもデバフ解除スキル持ちだったりして、明らかに強い。1週目は死亡させていたので汎用クレリック×2という編成で挑んだ。ウィッチも初期から使い続けてきた汎用でやり通せた。2週目からはシェリーをウィッチにして、ペトロバースト100%というハボリムムーブの再来を実現させておいた。セリエ姉さんはSFC版と同じで、ヴァルキリーで育ててからのセイレーン転向で砲台のような活躍を見せる。ラストボスも遠くから投射魔法(最初はこの仕様に慣れず、よく味方にぶつけてた)を撃ちまくって倒した。魔力アップのバフを2枚もとればいうことない。なおシスティーナはニンジャ(クノイチ)にして、吹矢で敵を石にするセコい役回りを演じてもらった。オリビアは補欠。

今回は声がついたので、見知ったセリフも新鮮に響く。サターン版の昭和の読み聞かせ的な演技も雰囲気は出ているから好きだけど、映画の吹き替えが主だという今回の人選はよい。全体的に過剰とは思うが、宮本充演じるニバスだけでおつりがくる。ヴァイスはサターン版の方が強烈な演技であったが、Lルートなら『リボーン』がいいかもしれない。画像はNルートの最後だが、このセリフの演技は最大の解釈違いであった。ていうかセリフ変えられてるし。

新しく用意された新旧のキャラクター像がどれも同じというか、語彙が明らかにオリジナルのそれと差があるため、二次創作感は否めない。オズマが仲間になるのも、オズの命を奪った主人公に対してなんだかなあという感じである。シェリーとブランタがそれっぽい関係だったというのも衝撃だった。なんというかキャラクターの余白の埋め方が公式と自分で相当に差があった。ヴァイスやレオナールはデニムと相対を成すキャラクターとして描かれるので、彼らを通して他者が見たデニムの変貌(プレイヤーの選択肢に対する反応)にも想像が及ぶ。今回は主人公ではなく「デニム」という一個人になっており、プレイヤーとの視点のスイッチングがSFC版より薄くなってしまったせいで、他者からの視線というものを想像しにくい気がするのだが、どうだろうか。バッドエンドでセリエが「閣下」と呼んでいたところもデニムに差し替えられている(旧作では自由に名前が入力できるので、固有名詞たる「デニム」が会話では使われない)。プレイヤーとデニムが切り離されている点は、こんなところにも表れていた。というわけで、リボーンというだけあって、新たに読み解かれ復元された『タクティクスオウガ』といったところである。新規ユーザーのことを考えたら、まあこうなるんじゃないという感じだ。SFC版もほめられたバランスではないが、下にも書いてるようにその大味さがリアルで好きだった。今回の「演習」はいきなり謎の敵キャラクターが登場し、彼らを倒すことで経験値が稼げる。やっぱシステムが現実に割り込んできてる感じがして、モヤモヤする。見た目が悪くてもトレーニングの方がそれらしかったとは思うが、まあ面倒くさいだけか。


2025年1月前半-下愚バパールら撃退後

最初のリメイク『運命の輪』がベースになっているため、SFCの前提を持ち込むといろいろとつまずく。とはいえ『運命の輪』時代のクラス別レベルというややこしい仕様は撤廃され、キャラ別レベルに戻っただけでもかなり大きい。出撃させたユニットたちにまんべんなく経験値が入る仕様は、後述のレベルキャップも相まってレベル上げがそれほど苦痛でなくなった・・・が、ユニオンレベル含めて、制限がかかる理由があまりにも「そういうゲームシステムだから」って感じでモヤモヤする。目玉システム「チャリオット」然り。『FFTA』のジャッジみたいに、ルールと世界観が結びついてるなら、ムラのあるそれもまだ納得できるんだが。

SFC版のいいところは弱いユニットは弱い、強い武器(攻撃手段)は強いところだと思っている。高いところから弓で射るのが強いゲームで、近接攻撃ユニットは陽動のためだけに存在する。そんな生々しさが好きだった。呪文や装備できる武器がクラスごとに制限されている方が無駄に器用貧乏な戦い方にならないだけ、(不条理な現実こと)ルールの美しさが実感できる。ホークマン(カノープスも)やナイトがヒールを使えるって、やはりが違和感すごい。ペトロクラウドみたいなバランスを破壊する呪文も、設定上強すぎる竜言語魔法や禁呪と同列、それゆえに制限を控えてプレーするのである・・・が、縛りプレー自体がもう初老のマニアしかやらない遊び方なので、レベルキャップは意識することなく難易度を一定の水準にしておきたいという意図があるのだろう。が、バフカードで強化しないと難しい敵リーダー(というか今回は全体的に固い。減らない。)はじめとしたジリジリしたバランスは、SFC時代とたいして変わらないゲームスピードに思える。2章の時点では、だが。待ちを弱くするのはこの手のゲームのバランスのとり方としては課題であるが、『リボーン』もSFC版と同じでMPチャージからの召喚魔法連打に落ち着くっぽいのだが、はたして?

1章までクリア。「トレーニングを怠るな」・「わかりました、トレーニングですね」がなくなったのは寂しい。バルマムッサの町では「バカなことをやめるんだッ」を選択。Nルートって中途半端で救いがないといわれてるが、あのどっちつかずがいいと思えるわたしは少数派だろうか。お人好しで日和見主義で、しかし犠牲者は他のルートよりも多いといういたたまれない歴史である。ヴァイスの最期はこれが一番好きだし、ニバス関連のシナリオもリメイクによって充実しているため、まずはこちらを選ぶ予定だ。それにしても新キャラクター・ラヴィニスの扱いがいいんだか悪いんだかわからない。Lルートでないと仲間にならないため、それ以外のルートだとあっさり死んでしまう・・・ヴァイスの弩で。そのヴァイスもLで仲間になるんだから、Nでヴァイス枠として生存してくれたっていいじゃないか。よく言われているが、『FFT』のアグリアスっぽさがあって萌ゑる。ただやっぱり出番が少なすぎる。

『運命の輪』で決定的だったのが、スクエニ的かっこよさを志向したテキストのセンス。ホームシックは17世紀のスイスの兵隊から見いだされた病気だから、同時代の中世ベースの世界観にも適切だ。ロンウェー公爵がいうのも納得できる。ランスロット・タルタロスがいうガン細胞という語は、このリメイクでは腫瘍に置き換えられている。ディレクターの松野氏がいうには、時代考証的な違和感がある、とのことだった。じゃあ、なんでシスコン、脳筋、「上から目線」、「民度が低い」といったセリフ回しが出てくるのか。カチュアの性格を過剰にしてあるところも、いかにも現代的という配慮を感じられてムズムズする。まあ、それでもSFCでフォルカスとバイアンが死亡したケースでシスティーナをなじる場面の手厳しさには及ぶまいがッ。・・・今回のテキストはお決まりの「ッ」があちこちで削られている。なぜ?

もう少し、ゆるりと言葉を交わしたかったが・・・