備忘録

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Susumu Yokota (Prism) / metronome melody
横田進の古めの作品をよく聴いている。日本でロバート・ヘイにあたる人がいるとしたら、この人だと思うのだが、いかがだろうか。テクノ、ジャングル、アンビエントといった各テーマを行き来する、いい意味で一体感のない音楽から、当時テクノという語に見出されていたポテンシャルを想像する。
Roboshop Mania / Terminal
ロボショップ・マニアをひょんなことから思い出す。名作『LIFE STYLE』はなぜか廃盤のまま。この辺の90年代末下北沢らへんのロックは、ヴィジュアルあってこそなので、当時の音楽と並走していた雑誌やミニコミが集めたくなってしまうな。「Crew」は最高!
Nurse With Wound/ Thunder Perfect Mind
ロシアのInfinite Fogから出た3LP。とにかく高い、重い、場所をとる。音はCDの方がいいと公式が書いているので、完全なファンアイテムだろう。封入されていたポスターは額に入れて飾りたいかもしれない。内容はマンボの極端な解釈であり、NWWなりのリズムへの執着が発揮された名作だ。LPだと「Colder Still」が分割されて調子が狂うので、やっぱりCDの方がいいかも。
Moon Wiring Club / SEPIA CAT CITY
MWCが昨年末に発表した新作LP。過去作のCDや広報誌?『CATMASK』とともに買わせてもらった。ヴィクトリア時代とパンクを繋ぎ、パラレルワールドを描き続けるトボケた狂気。憑在論系アーティストではダントツではないのかな。キッチュなトリップホップと呼ぶのは希釈しすぎな気もするが、まあそんな感じです。
V.A. / Sushi 3003
バンガローが出した日本のポップスオムニバス。渋谷系をフィーチャーしたと書かれがちだが、クラブからシャンソンまで包括した精神性そのものが西欧から見て好奇だったのかもしれない。よくわからないレトロフューチャーなジャケットにもそれが表れている。高野寛とカリンがイイネ。
Pye Corner Audio / The Endless Echo
PCAの新作。プレスリリースを送ってもらったので、さっそく聴いている。古きSF映画などが持つ安っぽさを魅力的に思う童心のようなものを撫でまわしてくる音楽だ。早く実物で欲しい。
SCOOBIE DO / Bootle-tic Girl 13
買うのを忘れていたライヴ音源シリーズの続編。パンデミック以降はご無沙汰だったツアー実況録音だけに、再開したのは嬉しい。『Tough Layer』レコ発なので同作の曲が主。赤面どころかイラつくレベルの歌詞とそんな反応をする自分のナイーヴさは、同アルバムを語る上では欠かせないものとなるだろう。曲自体は特にてらいのない、実演を重ねていくことで成長させるタイプのものであった。「光の射す道へ」がいい曲だ。
Jun Konagaya / Organ
ウラシマからのLP再発。199枚限定だとか。CDで持っているが、パララックスで雑談しているうちに目につき、勢いで買ってしまった。ガマヘッドの絵本だけでたくさん発表してほしいとさえ思う。宗教的法悦といったコンテキストさえも寄せ付けぬ、純粋なころ=子供のころにしか感じ得ぬ超自然めいたものへの気配を想像させる。外の世界のあちこちから、この畏怖めいた感情を受け止めていた時期が自分にもあったのだ。